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視線の先はいつも
登場人物 夕鈴、陛下
カップリング 陛下x夕鈴

・一応24話はすぎたあたりですが本編ネタはなし
・『+++ Aqua Proof +++』様の『玉砕覚悟の恋で10題』をお借りしています
・玉砕覚悟ですが、当サイトでは2人に幸せになってほしいのでおまけに短い会話がついています
・夕鈴がじめじめと考えごとをしています
・短め

続きからどうぞ!


「あ」
夕鈴が外の空気を吸おうと部屋を後にしたところだった。
迷路のように入り組んだ廊下を通り抜けると、人の声が遠くで聞こえた。
顔をのぞかせると、不機嫌ともいえる表情で書簡に目を通す黎翔が見えた。
なにを言っているか夕鈴のいる場所からは分からないが、近くで頭を低くしている官吏の様子からすると、
渡したものに不備があったようだ。
「下がれ」
その冷たい言葉だけが夕鈴の耳にも届いた。
自分に向けられたかのようにはっきりと聞こえ、思わず足を引いて来た道を戻ってしまう。
夕鈴がたまたま王宮内で黎翔を見つけたときや、
政務室で座っているとき、
仕事に没頭している黎翔の表情は、夕鈴と2人でいるときと別人のようで、
未だに見慣れたものと思えない。
時には黎翔が夕鈴の視線に気づいて微笑んで答えてくれることもあるが、
たいていは山のようにつまれた書簡や、次々に報告などをしにくる官吏に捕まっていて、
目線を返してくれることは稀だ。
自分はあの人が仕事をしていても、昼寝をしていても、一緒にお茶を楽しんでいても、
いつのまにか目がその人を探して、見つけてしまう。
厳しい顔をしていたら、近くへいって助けられないかと思う。
笑っていたら、一緒に笑いたい。
疲れているなら休む場所を用意したい。
悲しんでいるならその手をとって、眠っているなら髪をなでてあげたい。
そうやって一日中彼の姿を追ってしまう自分を思うとどこかへ消えてしまいたくなる。
そして、自分の視線が黎翔に注がれる時間と、実際に目の合う回数を考えると、少し寂しいと思うときもある。
―――そんなの、当たり前なのに。
視線が合わないことすら不満になるなんて、身の程知らずだとは分かっている。
それでも思わず目で追ってしまうその人が、それに気づいてこちらを見てくれないかと望んでしまう。
時々自分を戒めて思い出す。
本来は、この目にその姿を映すことさえかなわない人だということを。

―――でもせめて、姿を追うくらいは許してください。

それ以上はだめでも。
その姿を目に焼き付けて、いつかその傍を離れたあとに、忘れないように。



――――――――――――――――――――――



「夕鈴って、いつもどこ見てるの?」
「え?どういう意味ですか。そんなにボーッとしてます?」
(いつもって、陛下のことばっかり見てるけど!)
「そうじゃないけど、こっちあんまり見てくれないよね」
「え?」
「政務室でもいつも回りの人とか、窓とか見てるし、僕が夕鈴のこと見ても気づいてくれないし」
「そんなことないですよ!」
「でもあんまり目合わせてくれないし・・・」
「そんなにしゅんとしないでください!」
「じゃあ、もっとこっち見て?」
「え?え・・・はい・・・」
「よかった!じゃあ明日も政務室でよろしくね」
「・・・」



―――――――――――

(10.09.2011)

前々からやりたかったお題をお借りしました。

お互いに相手にぼんやりと視線を向けてしまうんだけど、
タイミングが悪くて目があわなくて、
どっちも相手がこっち見てくれないかなって思ってたらかわいいです。


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