スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
かくしたいもの
登場人物 陛下、夕鈴
カップリング 陛下x夕鈴

クリスマスにいただいたリクエストです。
もう存在を忘れ去られていそうなくらいお待たせしております。

リクエスト内容

「官吏達が見ているのを分かってる陛下が夕鈴に攻め攻めで甘甘なお話はどうでしょうか?もちろん夕鈴は官吏達に見えているのに気づきません!誰かに見られたらどうするんですか!ぐらいで(笑)でも拒めないみたいな(-^〇^-)最後は皆見てたのが分かって噴火しちゃう夕鈴です☆
小説or漫画どちらでも楽しみなので(*^o^*)書きやすい方でお願いします♪」

リクエストいただいてから思ったのですが
攻め攻めで甘甘の陛下なんて書いたことなかったです\(^0^)/
ただのわがままな感じになりましたが…

つづきからどうぞ!


――――――


白陽国の王が、その唯一の妃を見つけたのは、暖かい日の昼下がりだった。
なんと外の廊下でうたたねをしていて、
こんなところを自分の側近に見られたりしたら大変だろうなあと黎翔は、
怒られておもしろい顔をしている夕鈴を想像してくすりと笑った。
手元に書物があるので、日差しでも浴びながら勉強していたのかもしれない。
李順のフリをして起こしてみるのもおもしろそうだが、
人通りは少ない場所でも一応廊下である。しかも外だ。
ここは『狼陛下』で、と決めると、
すぐにでも「演技の練習だよ」とかわいく言えるように心の中で何度か練習し、
夕鈴の前にしゃがみこんだ。
「夕鈴」
少し名前を呼んだくらいでは、夕鈴は目を覚まさない。
そこで頬を触ったり、
髪をなでたり、顔を近づけて見たり、
唇に指で触れて見たり、
いろいろ試すが夕鈴は身じろぎするくらいで、なかなか起きてくれなかった。
「よく寝ているな」
大きな催しものもなくのんびりしているのかと思ったら、
夕鈴は李順から大量の宿題を出されたり、
自主的に勉強したり、
政務室では雰囲気をよくするのに一役買って出たりして、
休んでいるという様子はなかった。
加えて夕鈴は、掃除もいつものようにこなしているわけで、
せっかく後宮で優雅に暮らせる肩書きを持っていても、
時間を雅に使おうという気はさらさらないようだった。
「君はいろいろなところへ呼ばれて忙しいようだが、
少しは私の相手もしてくれないか」
寝ているのだから返事はない。
無視されたような気分になる。
黎翔は寝ている夕鈴の頬に手を置いた。
「反応がないなら、勝手にするぞ?」
空いた片方の腕で自分の体を支えつつ、
黎翔は少し前に体重をかける。
ゆっくりと距離が近づいて、
勢いさえあればもう影が重なる。
といったところで夕鈴は目を覚ました。
「…ん?」
まるでそれが分かっていたかのように、
黎翔は苦笑いのような、あきらめたかのような笑顔をした。
「おはよう」
「ふぇ…?へ、へへへ陛下!」
目の前にいるのが国王であると認識すると、
夕鈴は急いでその場を離れようと思って後ろに体重をかけ、そのせいで頭を柱にぶつけた。
「いたっ!」
「大丈夫?」
「は、はい。すみません。
こんなところで寝るつもりはなかったんですけど…」
寝ぼけた夕鈴は少しふらついて、黎翔の着物をつかんだ。
ぼんやりした頭では、いつもの俊敏な逃げはなく、
夕鈴の手は黎翔の胸の辺りにあてられたままだ。
少し驚いて、この状況をせっかくだから楽しもうと、
黎翔は夕鈴髪をなでた。
「構わない。ここは君の家だから」
「え?もう、陛下、変なこと言いますね」
「変?なにが…」
夕鈴との会話を続けようとしたが、
ふと視界のすみに動くものが見えて、反射的に目を向けた。
色からしてさほど階級の高くない官吏だろう。
何人かはよく政務室で夕鈴と会話をしているのを見かける。
しかも休憩室で夕鈴のことを話していることもあるので、
少し目を光らせておく必要があると思っていた。
黎翔の影にかくれて、
夕鈴のことを
笑ったら結構かわいい、とか
体型も悪くない、だとか
失礼な評価をくだしていた連中もいる。
もちろん彼らは妃がだれのものかを忘れているわけではあるまいが。
いっそ誰の目にも触れないように隠しておきたいくらいだ。
その官吏たちは屋根を見てなにか書き留めているので、
これから始まる宮殿の修理に関して資料集めをしていると見えた。
彼らのいる場所から夕鈴の姿はよく見える。
寝起きの夕鈴を見せるのは気に入らないので、
隠すようにその体を引き寄せた。
「陛下?急にどうしたんですか」
「夫が妻を抱き寄せるのに理由などいらん」
「そういう問題ではなくて!
というかどうしてこんなところにいるんですか。仕事は?」
先ほどの官吏たちが夕鈴に気づいて、
驚いた顔をした。
黎翔もいるので、慌ててこそこそと話し合っている。
見なかったフリをするべきなのか、礼をしたほうがいいのか相談しているのだろうか。
何人かは何事もなかったように仕事に戻った。
「へーか無視しないでください!まさかサボりですか」
「え?」
腕の中でもぞもぞと夕鈴が動く。
小動物を相手にしているようで思わず笑ってしまった。
「もう、笑ってないで!李順さんだって困ってますよ、きっと」
「どうして李順?」
「どうしてって、李順さん陛下がいないといつも探して…いえ、李順さんだけってことではなくて、
他の周宰相とか、柳方淵とか水月さんとか、政務室の人とか、大臣たちとかみんなですよ。
みんな陛下がいないと困っちゃいますよ」
ひとまず思いつく人の名前を挙げて、夕鈴は黎翔をじっと見る。
黎翔は少し離れた夕鈴の体を、自分の胸の中に戻した。そして強く抱きしめる。
「そんなのどうでもいい」
政務室にいると夕鈴は黎翔から遠いところにいるし、
しばらく目を離せば周りに害虫がたかっていることがあるし、
いざ二人っきりになったら違う男の名前ばかり出てくるとはなんとも悲しいことだ。
「は?あ、あの、放してください」
「どうして」
「だれか来ちゃいますし」
しどろもどりになりながら夕鈴は答える。
「見られたら困るのか」
「こ、こまるというか、見た人が困るというか…」
「見た人というのはだれだ。さっきから他の男の話ばかりしているな」
「他の男ってなんですかそれー!もう陛下言ってることめちゃくちゃですよ!」
「私の話はしないのか?」
「陛下と陛下の話をするんですか。っていうかなんで狼陛下…っ」
そういう意味ではないのだが。
話題をそらされた気がして黎翔は不機嫌な顔になる。
そしてなんだかいじわるをしたくなって、
夕鈴の髪に触れると、その瞳をじっと見つめる。
そして毛先からゆっくりと、
少しずつ夕鈴の耳元へ近づくように唇を落とした。
「君は自分がだれのものか、自覚が薄いな」
「へ、陛下っ…!近いんですけど!!!」
黎翔の唇は夕鈴の耳元にある、息を感じることができた。
その距離に耐えられなくなり、
夕鈴は思わず顔をそらす。
「え…」
そこで目に入ったのは、真っ赤な顔をして動けなくなっている馴染みの官吏たちだった。
「なんだお前たち。見世物ではないぞ。いつまでそこにいる」
楽しみを邪魔された黎翔は、つまらなそうに低い声で告げた。
「は?…え、って、最初から知ってたんですかー!!」
夕鈴の叫び声が廊下に響いている間に、官吏たちは仕事も途中にさっさと逃げ出した。



スポンサーサイト
 
コメントの投稿
secret


トラックバック URL
http://osakanaya3.blog.fc2.com/tb.php/69-bd2bea2a

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。