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私の方が陛下のことが好きだ
登場人物 夕鈴、方淵、陛下、李順
カップリング 夕鈴→陛下←方淵(憧れで)

・タイトルどおりのあほな話ですが、
これ実は11月に骨組みできてたんですが、今まで台詞が埋められなくて放置してました。


つづきからどうぞ


政務室の入り口で、黎翔は夕鈴を見つめて微笑む。
これから会議が連続になるので、次に夕鈴に会うのは夜か、もしくは明日以降になる。
「じゃあ夕鈴、また後で」
「・・・はい」
覇気のない返事だ。黎翔は首をかしげた。
「どうしたの?返事が遅いけど」
「あ、なんでもないですよ。また、後で」
少し無理をして笑ってみる。
黎翔が後ろを向きかけたところを見計らって力をぬいた。
しゅん、と肩が落ちる。
久しぶりに会えたのに、政務室に黎翔がいる時間は今日は短かった。
なにも言える立場ではないのに、残念だと思う気持ちは止められない。
「そう寂しそうな顔をするな」
「へ?!」
いつの間にか夕鈴の頬は、黎翔の手にとらえられていた。
「離れられなくなってしまう。我が妃の愛らしさも困ったものだ」
「わ、ちょ、ちょ陛下、演技はだめですー!」
「はは、そんな顔しないで。夜は一緒にいるから、ね」
「え?!」
耳元でささやく声で、夕鈴は体の底がくすぐったくなる。
「でもちゃんと途中で帰るから心配しないで。またね」
子犬とも狼とのどちらともつかない艶っぽい笑みが、夕鈴はとてもずるいと思う。
人をどきどきさせることに関しては、黎翔に勝てる人物はきっといない。
「陛下・・・かっこいい・・・」
ため息交じりに呟くと、後ろから咳払いがした。
「独り言にしては少々音量が大きすぎる気が致します」
不機嫌そうな顔をした柳方淵である。
「あら方淵殿、人の発言を盗み聞きするのが趣味とは存じ上げませんでしたわ」
ゆるい声をだした黎翔の正体(?)がばれてしまったのではないかと、夕鈴は内心焦って心音が早まったのを感じた。
「耳をふさいでも聞こえるような言い方をして何をおっしゃるか。
思わず陛下を賞賛してしまうのは理解しますが、それならば心の中に秘めていてもいいでしょう」
この様子から言って、方淵が聞いていたのは自分の発言だけだと分かり一応安堵した。
それにしても、好きな人に笑いかけられて、ときめいてしまった乙女の独り言など放っておいてほしいものだ。
いちいちうるさい男ね、と夕鈴の顔がひきつった。
「そうですわね。ですが思わず口に出てしまうほどの感銘を受けたら仕方がないと思いますのよ。今回は許してくださるかしら」
「それを抑えてこその王妃ではありませんか。感情を表に出すのは品がない」
「あらまあ、いつも眉間に皺を寄せて、周囲に不機嫌っぷりをばら撒いている貴方からそんな言葉が聞けるだなんて驚きですわね」
「…下手な愛想笑いを振り撒く貴女が言うことか。官吏が情けない笑みを浮かべながら仕事をする必要も全くない」
「ほほほ、嫌ですわ愛想笑いだなんて。私はいつも心から笑っていますわよ。
陛下のお姿をこの瞳に映すことのできる毎日、これ以上の幸せはありませんもの」
「そのことですが…貴女は毎日政務室にいらっしゃるが、今日などは窓の外を見ていただけではありませんか。
なぜそもそも顔を出すのかが理解できない」
「それは陛下がそれをお望みだからですわ」
「陛下は政務室にいる貴女に関心があるようには思えなかったが?」
今日は短時間の間にたくさん処理するものがあって、黎翔は夕鈴に目配せする時間があまりなかった。
邪魔にならないように、とは意識しているから夕鈴も黙って座って、忙しそうに筆を動かす黎翔を見ていたのだ。
確かに役には立っていない。
そんなことは分かっている。
そんなことは分かりきっているけれど、ここで言い負けては、黎翔を思う気持ちさえも負けている気がしてどうしても引き下がれない。
「陛下のご様子を見ているのが私の仕事です」
「医師の免許でも持っていれば納得できるが、見ているだけでなんになる」
「貴方達が盲目で気づかないことを、私は気づきます。あのような忙しない場所では、陛下はご自分の疲労にも気づけませんわ」
「自分なら陛下のことをなんでも知っているといいたいのですか?少し前に突然現れたくせに傲慢だ」
「なんですって?時間なんて気持ちを育てるのに関係ありませんわ」
「関係はあるぞ!私は陛下がご即位されてから、ずっとあの方の背中を見てきたのだ。
その間に培われた信頼が、貴女が短時間で手に入れた気になっている浅い関係と同じはずがない!」
「はあ?私と陛下だって、ちゃんと信頼関係を気づいてます!」
「どこか証拠があるのか?妃という称号がついただけで、どこぞの町娘と変わらない貴女に陛下がそこまで傾倒していることに全く納得がいかない!」
「わ、・・・わ、私だって、役に立ってますもん!」
「例えばなにが?」
「…肩をもむのが上手いって言ってもらいました!」
「そんなもの専門職の人間に任せたほうがいいだろう。もみ返しでさらに痛くなったらどうするのです」
「くっ・・・」




会議室に向かう黎翔の足が、夕鈴と方淵の怒鳴り声で止まった。
先ほどから音量を増していく2人の喧嘩だが、長い廊下のせいで内容は聞こえない。
たまに『陛下』という単語が聞こえてくるが、
自分に聞こえないところで、2人の話題にされるのはなんともおもしろくない。
「あの2人、仲良いね」
「・・・どこがです?それより陛下、早くこちらに目を通してもらえませんか」
李順の心無い発言で、黎翔は仕方なく意識を文字に集中した。



――――――――

(11.11.2011)←最初に書いてから

(01.25.2011)こんなに時間が経ってます。
喧嘩の内容が思いつかなかった…。
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