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水月さんの片思いで短いのふたつ
登場人物 夕鈴、水月
カップリング 水月→夕鈴

・ボツネタなのですが貧乏性だからのせる・・・
・夕鈴はいつものように陛下が好きです

つづきからどうぞー

午前の業務は終わって、人の声から離れたかった。
暗く細い廊下をいくつも通ってだれもいない静かな場所を探す。
もうこれ以上は進まなくてもいいだろうと足を止めたところで、
微かに音が聞こえた。
抑え込まれているが、これは嗚咽だ。
角を曲がって少し明るい場所に出ると、すぐに正体が分かった。

「お妃様?」

肩が大きく震えた。
一瞬だけこちらを向いた瞳からは、彼女自身も止め方を知らないと言わんばかりに水が溢れている。
次々溢れる。
大粒の水が瞳から溢れ、頬をつたい、衣にしみこむ。
彼女は顔をそらした。

こぼれる涙を止める術は知らない。
その涙を受け止める権利もない。

このまま貴女の涙を見つめることは、
なんの罪になりますか。

そしてそれを美しいと思ってしまったとしても、
ここでは、私を咎めるものがない。

透明な雫が白い頬を伝う様子を、美しいと思うのは当然なことに思えた。
あの方を思って貴女が流す涙は、それほど美しい。
すくって口に含んだら、きっと甘い。





――――――――



空気の揺れる音がした。
閉じられていた瞳が、ゆっくりと景色を映す。
口笛についていた唇を離した。
この瞬間はあまり好きではない。
笛の音色に耳を澄ませて瞳を閉じていれば、
見たくないものは目に入らないのに。
わずらわしい現実に引き戻されるこの音のやんだ一瞬は、
自分がもっとも嫌うものの1つに入る。
しかしその理由が彼女ならば、話は少し別になる。
「お妃様」
呼ばれて、廊下の端から夕鈴は少し気まずそうな顔を覗かせた。
「すみません。お邪魔するつもりはなかったのですけど」
夕鈴としては、邪魔をしないように足音を立てずに歩こうと最大限気をつけてきたのだ。
流れる音楽に誘われるまま、ふわふわと音を追ってたどり着いたのは、
夕鈴が予想した通りの人のところだった。
「着物の擦れる音だけで、貴女と分かってしまう私が悪いのです。
そんな顔をしないでください」
「ふふ、水月さんはおもしろいですね。ありがとうございます」
水月が微笑むと、夕鈴も少し照れたように笑い返す。
夕鈴は、今の言葉が夕鈴の心情を和らげるために言ってくれた冗談だと信じている。
そしてそれを、水月は否定しない。
「いいえ、本当のことを申し上げただけですよ」
本当に、真実を言っただけ。
それは言わない。

彼女は無防備だ。

腕を伸ばせば水月がその手首をつかめる距離にいることも気にしない。
その手を引いて、腕の中に引き入れることができてしまうことも知らない。
なにも知らない。
なにもかも見ないようにしている自分とは違って、
彼女は知らない。
それは真っ白で、目に映るものを塗りつぶして白くした自分とは正反対なのだ。
笛など床に預けてその顎を少し上げて、
薄く開いた唇を近くに感じたいという欲を、
拒絶への恐怖を、
彼女が気づかないことへの甘えを、
全て隠して無視をする。
どこかへ消えてしまえ。
自分の感情なんて大切にしたいとも思わない。
そんなものを守ろうとしたって、なにも手に入らないのを知っている。



――――――――――

(12.14.2011)

水月さんが夕鈴に惚れるとしたら、きっと涙をみたときだと思う。

夕鈴が水月さんのこと好きになるところはどうがんばっても想像できないので、
水月さんはずっと片思いだと思う。ごめんなさい。好きなんだけど・・・。
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