スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
横顔
登場人物 水月 あと夕鈴と陛下と方淵がちょろっ
カップリング 水月→夕鈴

・短い
・雰囲気小説

思いついたのでリハビリに書いてみたもの。

続きからお願いします。
――――――――――

ふと、緑の中に彼女を見た。
思わず足を止めてしまった。
庭で一人目を伏して、睫毛が瞳に影を落としていた。
大きな瞳が瞬きをする。
その様子に目を奪われる。
こちらを、見てくれないだろうか。
無意識のうちに期待をしていた。
少しだけ首をこちらに向けて、そしてこの視線に気づいてくれないだろうか。
下に向いていた視線が上がった。
彼女の瞳が輝いて、花のような微笑を見ることができた。
彼女は立ち上がって足を前に踏み出す。
そして少し躓いて、前のめりになったところを、まるで待っていたように手が受け止めた。
あの方がいた。
彼女と同じ、愛しいものを見つめる微笑を浮かべている。
彼女は、彼を見つめている。
その視線がそこから動くことはない。
あの微笑が、自分に向くことも、ない。


「っ!・・・痛いな」
目の前の光景に目を奪われ、棒立ちになっていた水月の頭に激しい衝撃が降りてきた。
後ろを向くと、丸められた書簡を持った柳方淵だった。
「なにをするのかな、君は」
その様子からして、手にしていた堅いもので頭を殴られたのは自明のことだった。
「ずいぶん乱暴なことをするね」
「貴様が早く戻ってこないのが悪い。自分で申し出たくせに、資料探しもできないのか」
「歩く速さが君と違うだけだよ」
そう言って、眉間に皺を寄せる同僚に持っていた書物を渡す。
机に向かって目を細めていることに疲れてしまって、
資料が足りないという言葉を耳にして、
息抜きをしようと書庫へ行くのを申し出たのは水月だった。
「早く戻るぞ。貴様が遅いせいで待っているだけの無駄な時間ができた」
「ああ・・・ありがとう」
ぶつぶつと文句を吐き出していた方淵の口が止まる。
「気味が悪いな」
いぶかしげに水月を見たが、それ以上は何も言わなかった。

あの人の視線を求めて、それが与えられないことが分かっていて、
それでも割り切ることも諦めることもできない。
その感情にはさまれて動けなくなっていた。
痛みによって無理やり現実に引き戻されて、どこか安心したところがある。
あのまま見つめて心を奪われていたら、きっともう後戻りもできない。
今はただ、焦がれを視線にのせるだけがいい。
それ以上のものを求めて、手を引いてしまいたいという自分の心には、
気づきたくもない。


――――――――――

(11.26.2011)

ほんとは漫画にしたかったのですが。
雰囲気話を小説にするのはレベル高くて難しい・・・。

陛下が書きたいのに、陛下全然動いてくれません。
困った。


スポンサーサイト
 
コメントの投稿
secret


トラックバック URL
http://osakanaya3.blog.fc2.com/tb.php/39-98080240

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。