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岩圭パパ再婚ネタ【SNS再録:捏造】
登場人物 夕鈴、青慎、岩圭、女性1
カップリング なしだけど岩圭が女性1との再婚を考えています

SNSに載せたものです。

※岩圭パパが捏造されたキャラとの再婚を考えています
※夕鈴のお母様について少し捏造された描写が出てきます


つづきからどうぞ
「夕鈴、青慎、
父さん、再婚しようと思うんだけど」
「は?」
箸を落とした。

久しぶりに帰省すると、
夕鈴の父、汀岩圭は珍しく逃げずに家にいた。
そして父娘の久しぶりの一緒の夕飯で、
開口第一に飛び出したのが『再婚』という言葉だった。
夕鈴はしばらく父の顔を見つめて、
目をぱちぱちさせることしかできなかった。
「…おめでとう」
「いや、実はまだプロポーズもしてないんだけどね。
いきなり再婚しますって報告するよりも、
事前に言っておいたほうがいいかなってね。ははは」
「どっちでもいいわよ。
父さんのことだし、応援するわ」
「ありがとう」
ふにゃ、と笑った父の顔が幸せそうだったので、
びっくりしたけどいいか、と夕鈴は箸を拾ってあらい、
食事のつづきをとることにした。




「あまりびっくりしてなかったわね」
食事の後一緒に片付けをして、
夕鈴は部屋に戻ろうとした青慎を呼び止めた。
「あ、うん…なんとなくそうなるかなと思ってて」
「ふーん」
「反対?」
「そんなわけじゃないけど、
びっくりしたわよ。
どこの人か知ってる?」
反対するわけではない。
夕鈴と青慎の母は、
青慎を産んだ後すぐに亡くなっていて、
正直物心ついたときには、
夕鈴の家族は父親と青慎だけだった。
父が新しく一緒にいたい人を見つけたならば、
それを反対しようという気持ちはない。
なんで急に?とは思うけれど、
夕鈴があまり家にいなくなったのも1つの理由かもしれない、
と考えるともしかしたら前から考えていたのかもとも思えてしまう。
青慎が試験に集中できるように、
家に女性がいたほうがいいかもしれないし、
夕鈴が(その可能性はとても低いけれど)どこかへ嫁に行ってしまったり、
青慎が登用試験に合格して官吏になったりしたら、
この家に、広くはないけれど、父は一人ぼっちになってしまう。
「僕は会ったことはないけど、
明玉さんによると、
ずっとはずれにある食堂の料理長なんだって」
「へえ、すごいわね」
「そこで、卵スープがすっごくおいしかったから、
だれが作ったのかって呼び出したらしいんだよ」
「なあにそれ。恥ずかしい」
「ちょっとね。
そしたら妙齢の綺麗な人だったんだって」
「結構若いってこと?
一目ぼれしちゃったの?」
「そう。具体的な年齢は知らないけど」
「…そうなんだ」
もしかして姉のような母ができるのだろうか。
少し不思議な感覚ではあるけれど、
紅珠が妹みたいなものだとしたら、
今度は姉みたいな人ができるのかもと思うと少しは楽しみにしてもいい気がしてきた。
「それにしても、
そんな若くて綺麗な人、
父さんを相手にしてくれるのかしら」
むしろそちらのほうが問題だ。
なにしろ結婚適齢期をすぎた娘と、
科挙のために勉強中の金のかかる息子がいる。
しかも当の本人は借金ばかりこしらえてくる。
こんな家族に嫁いでも、楽な生活はできないだろう。
「僕も、
父さんの片思いで終わっちゃうんじゃないかと思ったんだけど、
以外とそうでもないらしいんだよ。
その人は料理人だから、
手に火傷の痕がたくさんあるんだって。
それでそれを隠そうとしたら、
父さんがね、
働きものの手で綺麗ですねって言ったらしくて、
それで好きになっちゃったんだって」
「あら」
父にしては随分素敵な口説き文句だわ、
とその場面を想像してみようとするが難しかった。
「しかも、父さん最近は真面目に仕事して、
闘鶏場にも行ってないよ」
「すごいじゃない!
じゃあ、私達は父さんが
その人を紹介してくれるのを待ってればいいってことね」
「そうなるね」
なんだか知らない間にいろいろ変化してるものだ。
その日は、
まだ顔も知らない未来の母親のことを想像しながら、
しばらく寝台の上で目を覚ましたままでいて、
いつのまにか眠りについた。




その後何度か父はその女性と会っているようで、
時々嬉しそうな顔をして外へ出て行くのだった。
帰宅するときも機嫌がよく、
砂糖菓子を買ってきたりする。
今まで賭け事に費やしてきた分を生活費に回しているのだから、
多少暮らしぶりが豊かになるのは自然かもしれなかった。
父がきちんとしていれば、
夕鈴は家のことに集中できるし、
青慎も余計な心配はせずに机に向かうことができる。
「私、明日の夜には戻るわね」
「もう仕事に戻るのか」
「そろそろね。
あまりあけてしまうと、代わりの人もいないし…」
「それは仕方ないか」
「結婚式には呼んでちょうだい。
必ず休暇をもらってくるわ」
「もちろんだ」




翌朝早く、
夕鈴は母の墓に花を添えようと墓地にいた。
いくつか報告したいこともあるし、
誰もいなさそうな時間がよかった。
細い道をいくつか回ると、
母の墓の前には先客がいた。
「父さん?」
地べたに座り込んで、
なにか話している。
この距離では聞き取れないが、
多分ずっと前から習慣であったように、
他愛のない話をしているように見えた。
父が立ち上がる。
なんとなく今顔を合わせないほうがいい気がして、
夕鈴は近くにある他の墓の影に身を隠した。
だれもいなくなってから、
母の墓の前に花を置いた。
もう挿すところはいっぱいになってしまっているから、
横に置いておくことにした。




その午後家に帰ってくると、
部屋の中から異様なほど強い酒のにおいが漂ってきた。
「なにこれ?!」
台所には酒瓶があふれて、
それが居間のほうまで続いてその終わりには父が倒れていた。
「姉さん、しーっ」
「青慎、なによこれ」
小声で尋ねると、
青慎は父のほうをちら、と軽く見て答えた。
「父さん振られちゃったんだって」
「え、うそ」
「それで帰ってきてからずっと飲んでるんだよ」
「やだ、もう…
失恋して自棄酒なんて…」
しかしそれで怒鳴るわけにもいかないし、
今日はそっとしておいてあげたほうがいいのかもしれない。
「あんなに楽しそうだったのにね」
「残念だけど、
しょうがないよね」
「うう…」
部屋からうめき声が聞こえてくる。
慰めるわけにもいかないし、
怒るわけにもいかないし、
どうしようもできない。
「そうだ!
ねえ、その食堂に行ってみない?」
「え?」




父の意中の人がいるという食堂は、
夕鈴の家からは結構歩かなくてはいけなかった。
少し小金のある家なら車を使う距離だ。
付いた頃にはもう暗くなってしまっていて、
一口食べたらすぐに王宮に戻らなくてはいけない時間になってしまった。
小さな食堂は新しくはないが清潔で、
従業員も客も落ち着いている。
「卵スープと炒飯2人分お願いします」
「はい」
「あ、姉さん。
あの人かもしれない」
青慎の視線の先には、
髪が長く背の高い綺麗な女性がいた。
「背の高い美人だって明玉さんが言ってた」
「あの人?
父さんって面食いなのね」
じっと見つめていると目が合いそうになって、
慌てて視線をそらした。
その後他愛のない話をしていると、
すぐにスープが運ばれてきた。
「どうぞ」
置いてくれたのは先ほどの女性だった。
「ありがとうございます」
熱々のスープから湯気がでている。
「気付かれたかしら」
「さあ」
「私、あの人どこかで見た気がする」
「そうなの?」
「なんとなくね。
似てる人かもしれないけど」
歩き方や仕草が、
どうも初めて会った気がしない。
「冷めないうちに食べましょうか」
「うん」
スープを一口飲むと、
夕鈴の手が止まった。
「姉さん、どうしたの?」
「このスープ…」
「口に合わない?
おいしいと思うけど」
「ううん。おいしい」
その女性に目を向けると、
赤い髪留めがきらきら光っていた。
ついこの間父さんと市場に行ったときに、
ずっと悩んで買ったものだった。




帰り道はすっかり暗かった。
「やっぱりあんなに若くて綺麗な人、
父さんのことは相手にしてくれなかったのかな」
「なんとなく分かったかも…」
「え?」
「ううん、なんでもない。
そうよね。もっといい人見つけちゃったんだわ」
「父さん、大丈夫かなあ」
少し急ぎ足で家に戻ると、
きちんと起き上がってはいるが、
しょんぼりした顔の父が座っていた。
「ごめんなあ、夕鈴。
仕事に戻る前にいい報告ができればよかったんだけど」
「いいわよ。
父さんも青慎も元気なんだから」
「そうかあ。
青慎も、
母親がいたほうが安心かと思ったんだけれどね…
フラれちゃったよ」
「父さんがしっかりしてれば大丈夫よ。
私もいるし。
じゃあね。また手紙を出すわ」
「ああ」

迎えの車に乗って、
夕鈴はふう、とため息をついた。
「自分だけ見て欲しいって、
わがままなのかしら」
スープを飲んでびっくりしたのは、
自分が作ったものととても似ていたからだ。
少し違っていたけれど、
その味はとても懐かしくて、
多分小さいころから知っていた味。
なんとなく会ったことがある気がしたのは、
立ち居振る舞いが記憶にある母に似ているからだ。
きっとほとんど毎日、
他界した妻の墓になんでも報告にいく男と、
一緒になるのは辛かったのかもしれない。
もらった髪留めを捨てられなくて、
つけたままにしているその気持ちが嫌になるくらい理解できて、
夕鈴はどっと疲れてしまった。
父と母が並んでいる姿はあまりはっきり思い起こせない。
でもきっと幸せだったんだろう。
愛する人と2人で連れ添って、
いなくなっても想われ続ける母がうらやましくなった。
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たるさんへ
たるさんこんにちは!
夕鈴って時々怖いくらい感情がない目をしているというか、
いつも怒ったり泣いたり笑ったり忙しいのに、すごく目が据わっているときがあって、
元々は感情の起伏がある性格だけど、育った環境的にそういう冷静な部分も強いイメージです。
青慎も多分人のことにあれやこれや口を出すタイプじゃないから、
この2人の姉弟は父の再婚に関しては自分のことは切り離して考えてそうです。

陛下に恋をしていなかったら、
ただ単に綺麗な若い人だから、父さん振られちゃったのねーくらいにしか思わなかったかもしれません。
陛下も夕鈴に会って色々新しいことを知ったと思うんですけど、
夕鈴も変わってたらいいなという希望です!
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secret


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