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【現パロ】付き合ってると思ってる黎翔さんと思ってない夕鈴の現パロ
登場人物 陛下、夕鈴
カップリング 陛下x夕鈴

・現代パロです。
・タイトルのとおり、
陛下は夕鈴と自分が付き合ってると思ってるけど、夕鈴は「はい?」という感じの陛下がかわいそうな現パロです。


ーーー


別に感動して涙を流して欲しかったとか、
嬉しいっと抱きついて欲しかったわけでもない。
いつもの夕鈴の態度から推測するに、
喜んでいるのを全面的に出すというよりは、
少し遠慮するような表情を最初はしただろう。
それから、ちょっと恥ずかしそうに、
うつむきながらでもいいから笑ってくれたらいいと思っていた。
だからほんとうに、予想外だったわけで。





「あの、これはどういう意味でしょうか?」
夕鈴が僕の渡した指輪を、
なにか知らないものを見るかのようにじっと見つめて、
それからゆっくり顔をあげた。
「指輪だよ」
「それは分かるんですけど、受け取れません」
「デザインが気に入らない?」
「いえ、とても素敵だと思います」
「じゃあどうしたの?
僕が勝手に用意したんだから遠慮しなくていいよ。
付けていい?」
僕は夕鈴の左手を握り、
ギフトボックスに入っているプラチナの指輪を取った。
永遠の愛を金属に誓うのは馬鹿らしいと思っていたけれど、
愛する人が自分のものだという印を残せるのは悪くない。
まだ学生の夕鈴に大きな宝石は扱いづらいだろうから、
内側に小さなダイヤの入ったシンプルなデザインにしてある。
ぱしっ、と僕の手がはねのけられた。
「あの!
おかしいと思います」
夕鈴は自分のしたことにハッとするように顔を赤くした。
「すみません、でもやっぱりおかしいじゃないですか」
「なにがおかしいの?
恋人に指輪を送るのは普通じゃない?
もしかして忘れてるかもしれないけど、
僕達今日で付き合って半年だよ」
夕鈴は僕の経営している会社の社員食堂でアルバイトをしていた学生だ。
今は就職活動が忙しいらしくて、
もっとシフトが柔軟なところで働いている。
シフトぐらい、僕が調節してあげると言ったのに、
夕鈴は頑なに断った。
最初はずいぶん若い子が入ってきたな、
くらいにしか思っていなかった。
けれど何度か話しているうちに、
夕鈴の笑顔を見ていると癒やされている自分がいて、
毎日毎日食堂に通ってやっと連絡先を手にいれた。
もちろんアルバイトの連絡先くらい簡単に分かるのだけど、
それじゃあ意味が無い。
夕鈴が自分で、
僕と連絡先を交換してもいいって思うくらい仲良くならないと。
その後何度かデートして、
映画館や、水族館、遊園地、公園、
思いつきそうなところにはだいたい言った。
夕鈴には弟がいるから、
まだ泊まりがけのお出かけに誘ったことはない。
あまり焦っても仕方ないし、
僕達にはたくさん時間があるからね。

夕鈴は朝もパン屋のバイトがあるし、
家のこともやるからと食事が終わるとすぐ帰る。
だけどあの日は珍しく、
日付が変わるくらいまで一緒にいた。
夕鈴がカウンターでカクテルを飲めたらかっこいいと言うから、
気に入っているバーに案内して、
夕鈴にはグラデーションが綺麗なノンアルコールを用意してもらい、
自分は1杯だけ。
その日初めてキスをして、
アルコールを飲んだことを後悔した。
もっとなにもかも鮮明に、
店のBGMも覚えて置けるぐらいに記憶していたかった。
「はい?半年?」
「やっぱり忘れてたの?」
「いえ、私達、
付き合ってたんですか?」
「え?そこから?」
「いつからですか?」
「一緒に六本木で飲んだときだよ!
夕鈴が先に僕のこと好きって言ったのに」
「ぜんっぜん記憶に無いです」
「ええ?!夕鈴酔ってたの?!」
「飲んでないです!
好きっていったのは、
キウイじゃないですか。
カクテルにキウイ入ってたから。
黎翔さんも、僕もだよ、って言ってたし」
「どんな会話の流れでキウイの話だったの!
絶対違うよ」
「いや、キウイですよ。
少なくとも私が好きっていったのはキウイです」
夕鈴の飲んでいたカクテルは、
まだ名前のないオリジナルのカクテルだった。
淡いピンクが氷に向かって透明になっていく綺麗なグラデーションに、
キウイがアクセントで入っている。
味も微炭酸のピーチでとても飲みやすかった。
そんなにカクテルについて話した覚えはない。
「嘘…
じゃあ僕がデートに誘ってたのはなんだと思ってたの?」
「えっと、
たしか最初は水族館でしたっけ?
私が入場料高すぎるって言ってたから同情してくれたのかなって思って…。
しかもあのとき、
私が黎翔さんの嫌いなきのこを分けておいたから、
それのお礼だって言ったじゃないですか。
だから全部それなのかと思ってました。
社長の考えることって庶民には分からないなって…」
信じられなくて目眩がしてきた。
「全然違うよ!
いくらなんでも好きでもない女の子を何回も誘わないし、
そもそも付き合ってると思ってたんだけど!
じゃあキスしたときは?!」
「あれは…びっくりしましたけど、
黎翔さんってお酒飲むとキス魔なんですよね?」
夕鈴の頬ぽっと赤くなった。
違う。
絶対違う。
だれだそんな根も葉もないことを夕鈴に吹き込んだやつ!
「それは誰から聞いたの?」
「李順さんです」
「李順か…」
今季の秋の賞与50%カットにしてやる。
「しかも本人が全然覚えてなくて毎回ヒヤヒヤするって」
「濡れ衣だよ!
適当なこと言ってるんだよ、あの男!
僕は酔うほどお酒飲まないようにしてるんだから」
「そうなんですか?」
「そうだよ!
夕鈴の前で酔ったことある?」
「分からないですけど…
なんか、お酒飲むとほわ~っとした顔してますよね」
「それはお酒じゃない!
夕鈴に見惚れてるだけ!!」
思わず夕鈴の肩をつかむ。
本当に信じられない。
今まで僕のしてきた愛情表現が、
すべて同情だとかお礼だとか、
そんなものとして片付けられていたなんて。
「すみません」
謝られても悲しい。
大の大人が勝手に勘違いをして、
1人浮かれてデートに出かけていたなんて。
「あの、黎翔さん」
「なに?
ごめんね、今まで迷惑をかけたね」
「いえ、」
夕鈴が僕の服の裾をつかむ。
ああかわいい。
諦めずに最初からやり直しでもいいだろう。

「嬉しいです。
私、ずっと自分だけ片想いだと思ってたから」

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最後の一言で射殺されました…

ごちそうさまです
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おりざさんへ
SNSにもこちらにもありがとうございます。
夕鈴は結構殺し文句をバンバン出してくるので、
現代だとどうなるんだろうと思ってたらそうとう素直な台詞になってしまいました。
ますたぬさん
ありがとうございます。
最後の台詞好評でよかったです。
黎翔さんはこの後しばらく時間が止まって動けなくなると思いますが、
回復したら夕鈴がますます天使に見えて動悸が止まらなくなりいったん帰る予定です。
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secret


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