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褒め言葉
登場人物 水月、方淵、紅珠
カップリング 方淵x紅珠

・また水月さん視点で
・ばかっぷるです
柳方淵が不機嫌だ。
彼はいつでも機嫌の悪そうな顔をしているので、
別段珍しいことではない。
だけど今日は、
拗ねているというか、
悩んでいるというか、
なんとなく原因は仕事ではないような気がする。
そうなると思いつく理由は限られてくるが、
面倒だから今日は極力彼の視界に入らないように努めよう、
と決めたところだった。
「水月さん、方淵殿、おはようございます」
「おはようございます、お妃様」
お妃様が政務室に入ってきた。
朝の挨拶をするには少し遅い時間帯になっていて、
午前中にくるなら朝の早い時間の多いお妃様にしては珍しい。
あ、
「お妃様、御髪の飾りが落ちました」
とめてあった簪がするっと抜けた。
髪を結わえているのは別の簪のようで、
髪型は崩れなかった。
「すみません」
「いいえ。
素敵な色ですね。
今日のお衣装と揃いですか」
「そうなんです!ありがとうございます」
「珍しい形をしていますね」
「あ、やっぱり珍しいんですね。
後宮の皆さんも付け方がよく分からなくって、
何回かやってもらったんですけど、すぐ取れてしまうんですよね」
「そうなんですか。
とてもよくお似合いですのに、
もったいないですね」
ありがとうございます、と微笑んで、
お妃様は用意された椅子に座った。
「なんだい?」
柳方淵が私のことを睨んでいるので、
無視するのも不自然かと思い一応聞いてみる。
「なにがだ」
「睨んでいるから何か理由があるのかと思ってね。
いつもそういう顔だったかもしれないけど」
黙れ、とか無駄口を叩くな、とか言われて、
この会話は終了だな、と思い今日中に提出の報告書を広げる。
ここ10年の米の収穫量と、暑さと、降雨の有無などなど、
見ているだけで眠くなるけれどまとめて分析するだけならすぐ終わる。
これが終わったら帰ろう。
今日中と言われたのはこれだけだし、
今月はもう急ぎの案件はない。
いや、でも、もうこれも終わらせないで今すぐ帰りたい気分になってきた。
一応概要は書いたし、
あと要点をいくつかリストにしたらもう私がやる必要もないし、
だれか手が空いてる人を探そう。
よし、と顔をあげると柳方淵と目があった。
さすがに君に頼んだら怒るから他の人に頼むよ、
と微笑んだあとに気付いたけれど、
彼に私の考えてることが分かるわけないし、
他の用事なんだろう。
やっぱりなにか言いたいことがあるんじゃないか。
面倒だなあ。
仕事だけでも帰りたいのに、
柳方淵の相手もしなきゃいけないなんて。
「なにかあったの?」
まあでも、
そのうち弟になるかもしれないし、
一応親切にしておいてあげよう。
「…」
方淵は下を向いて報告書をまとめていて、返事がない。
返事がないけれど一瞬こちらを見たので、
一応会話は続いているんだろう。
なんて面倒な性格をしているんだろう。
「紅珠と喧嘩でもした?」
「…喧嘩ではない」
「じゃあ何?」
あー、誰だこの資料集めたの。
収穫量の単位が地域によって違っていて本当に疲れる。
今度から資料の収集は違う人に頼もう。
「…女人の衣装とはどうやって褒めるのだ?」
「え?」
唐突すぎて一瞬思考が停止した。
さっき私がお妃様の髪飾りの話をしたから睨んでいたのか。
「どうやってって言われてもね。
思ったまま言えばいいんじゃないかな。
例えば今日のお妃様のお衣装は珍しく青色じゃない。
それだけでも珍しいなとか、
寒色も似合うとか、いろいろ思うだろう」
「思わん」
「ああそう」
この男とここまで会話を続けたことを褒めてほしいし、
その労働を称えて私の代わりに後の仕事を全部やって欲しい。
「で、それが紅珠とどう関係があるの」
ここ10年の米の収穫量と、暑さと、降雨の有無の資料をまとめながら聞いた話によると、
やっぱり2人は喧嘩中らしい。
なんでも、
紅珠がお妃様に会いに行くときにいつも新しい衣装を着ているから、
大変だなという意味で、
貴女はあのお妃に会うときはいつも衣装を新調するのだな、
と言ったらしい。
そしたら紅珠に、お妃様は褒めてくださいますからね。と言われ、
追加で、
貴方とお会いするときにも、
最初は毎回新しいものを仕立てておりましたよ、
とにっこり笑顔で告げられたときに、
やっと紅珠が怒っていることに気付いたらしい。
「気付かないんだねえ」
「衣装が違うのは気付いていたぞ」
「そうなの?
そしたらちゃんと気付いたって言わないとだめだよ」
「そうなのか」
「気付いてほしいから着てくるんじゃないかな」

3日後くらいに思うのだけど、
柳方淵は仕事は1言われれば10やるのに、
ほかの事になると1と言うと1しかやらないのは何故だろう。






「兄様、聞いてくださいませ」
「どうしたんだい」
かわいい頬をぷくっと膨らませて、
紅珠が私の部屋に入ってきた。
もうっ!まったくっ!と怒っている。
「方淵様ったら」
あ、まだ喧嘩してたんだ。
「私ね、
先日父様が呼んで下さった異国の仕立て屋に、
ひとつ作って頂いたんですの」
「この前言ってた、
淡い桃色のやつ?」
「そうですわ!
あ、そうそう、言い忘れてましたけど、
私方淵様に、お妃様のところにいくときいつも衣装が新しいって、
嫌味を言われましたの。
だから先日方淵様に会うときに、
その新しく仕立てたものを着ていったんですのよ。わざわざ!
いつもと形が少し違っておりましてね、
時間がかかったんです。
髪だってそれに合わせてきちんとしたわ。
なのに、なんておっしゃったと思いますか?」
「さあ、分からないな」
「いつもと違うな、ですって!」
「そっか」
「そうなんです!それだけ!
いつもと違うって、当たり前じゃありませんの。
いつもと違うものを着ていったんですから。
なんなのかしら!
もう私、怒ってしまって、
本当に怒ってますのよ、
だからすぐ帰ってきてしまったわ。
私、しばらく方淵様には会いたくございません」
うーん、
これは一応私にも責任はあるんだろうか。






「おい」
「この前の紅珠の衣装のこと?」
何の話かは分かっていたので、
先に言うと方淵は少し驚いた顔をしたが、
すぐに真顔になった。
「あのね、
変化に気付いたって伝えたほうがいいとは言ったけど、
いつもと違うねじゃダメだよ」
「じゃあ何といえばいいんだ」
不満そうな顔をされる。
不満なのはこっちだよ!
どれだけ詳しく説明しなくてはいけないんだ。
「いつもと違って自分がどう思ったか伝えないと」
「なんとも思わん」
「なんとも?」
「ああ」
「かわいいとか思わないの、
似合うとか」
じっと方淵を見ていると、
方淵は表情を変えずに真顔のまま答えた。
「紅珠は何を着ても似合うし、
顔もいつも一緒だろう」
「あっそう」
ああそうだね。
私の妹はいつなにを着ても似合っているし、
とってもかわいいよ。


後日紅珠に会ったので、
なにを着てもかわいいから、
なんて言ったらいいか分からないんだって
と伝えてあげるとまんざらでもないという顔をしていた。
というか、
君たちそろそろ私を伝達係に使うのはやめてくれないかな。
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こんにちはー。
準王道(←勝手に確定)の二人に食いつきましたよ。

水月さんの省エネぶりがとても彼らしいと思いました(^^)
怠けたがっているだけのようにも見えますが、
でもきっとそれなりに要領良くやっているんでしょうね。
水月さんはいろんなことに対して効率良く
やりたいだろうに、方淵の非効率的な恋愛に巻き込まれ、
それについてはうまく省エネできないところが
この二人のおもしろさですね。

>柳方淵は仕事は1言われれば10やるのに、
ほかの事になると1と言うと1しかやらない

正にその通り(笑)

水月さんの通訳がないとお互いの意思疎通が
ままならないのに、それでもカップルなのが
方淵×紅珠のおいしいところだと思います。
うりうりさんへ
こんにちはー。
そうだ、準王道と呼びましょう!
たまに原作で一言も会話してない(本誌のおまけでちょっとあったといえるのか?)
ということを忘れますw

水月さんは書類とかを見るとつい隣の人の机にぺいっと置いちゃいそうな素敵なところがありますが、
基本的には自分じゃないとできないところとかはやってるんじゃないかと思います。

方淵は人の気持ちを汲み取ってあげるのが苦手ですよね。
政務室の官吏にもいろいろ言われてるし。
なぜあれで仕事ができるのが理解不能ですw仕事って9割コミュニケーションなのに。
陛下とだけコミュニケートできていれば補佐官というのは務まるのでしょうか・・・?
そんな彼が恋愛したら周りが大変に違いないです。

紅珠もお育ちがよいので、
あんまりズケズケ口喧嘩できないタイプだと思うんですよねー
ただ泣き寝入りはしないだろうけど…
早く出会え2人!!
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secret


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