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嬉しいよ
登場人物 許祐、方淵
カップリング なし

あけましておめでとうございます!!!!
本年もよろしくお願いいたします。
中長編一本かきたいネタがあって、
原作を丁寧に読み直そう、と思って意外と時間かかるなとりあえず2巻までしかまだ読んでないんだけど、
というところで、
新年一発目が
なぜか
許祐が主人公です。
そしてすごい捏造

許祐だれ??
という方、
二巻のあの腹黒い僕です。

・許祐と方淵が同じ学問所に通っていた設定

大丈夫そうな方はつづきからどうぞ。
陛下と夕鈴は一瞬たりとも出てきません!
ーーーーーーーーーーーーーー


一目見た瞬間から、
というわけではない。
何もそんなに始めから嫌っていたわけでもないし、
ましてや生理的に受け付けなかったなどということもない。
記憶にある限り彼のことは嫌いだったけれど、
第一印象は別に悪くなかった、
それだけは覚えているから。

「ここは空いているか」

騒がしい教室の中でも、
聞き取りやすい声だった。
まだ声変わりはしておらず、
中途半端な高さだが、
固くしっかりとした響きは彼の性格にぴったりだった。
といってもその時彼の性格は知らなかったのだが、
それでもその立ち姿や表情と、
よく合っていた。

「空いているよ」

許祐の家は国という単位で比べてしまうと目立たないし、
下級貴族と自分たちで半ば笑いながら言えてしまうような地位ではあったが、
常々努力しているおかげで、
同じくらいの規模の家に比べれば悪くはなかった。
その中でも許祐は代々の一族の男子の中で特に優秀だった。
兄弟や両親は許祐のことを誇りに思って、
少し無理をして、この国で一番の学問所に入れてくれたのだ。
もちろん家庭教師はつけるが、
同じように官吏を志すもの達に囲まれて、
国家の行く末や理想を語り合うのは楽しかった。

まだ入学したばかりで、
許祐は全ての生徒を覚えているわけではなかったが、
何人か名門と呼ばれる家から出ている生徒は
顔と名前が一致するようにしておいた。
機会があれば近づいておいたほうがいいのは知っていた。
だから中央政治で活躍している柳家の人間と、
まあ次男なのはこの際置いておいて、
隣に座れたのは中々幸運なことだったと思う。
この頃すでに座席が固定されつつあったから、
たまたま隣が空いていたのは良かった。

柳家の次男は最初の印象通り冗談の通じない固い性格で、
いつでもまっすぐ前を見ていた。
許祐は時々意味もなくふざけたくなる年頃で、
しかし冗談でも言おうものならフン、と鼻を鳴らして馬鹿にした後、
全く無視を決め込んで相手にしてくれなかった。
まあ10回話しかければ1回くらいは相手をしてくれたかもしれない。
許祐は自分がこの学問所の中でもまあまあ優秀なままでいることにとても安心

していて、
ついでに柳家の次男と仲良くしているのは悪くないと思っていた。

「方淵、昨日の課題できたか」

優秀とは言っても少し気の弱い許祐は、
その日の課題にとても自信があった。
もともと題材になっていたのも馴染みのある歌であったし、
悩みに悩みぬいて書いた作品は、
どう考えても誰より優れていたと思っている。

「ああ」

人と課題の見せっこなんてしない男だとは分かっているが、
ひとまず隣の人間の作品と比べてみたい、と
許祐は少し方淵に近づいた。

「僕のを読むかい?」
「他人のものなど見ても仕方ない」
「まあいいじゃないか。
たまには古いものばかり読んでいないで、
同世代の作品にも目を向けてみなよ」

ずい、と目の前に出すと、
方淵はそれ以上は特に何も言わずに許祐の書いたものに目を向けた。
視線が上下に動いて、
あっという間に読み終えたようだった。

「これは…」
「早く提出しなさい」
「あ」

横から先生に奪われて、
2人はもう前を向かなくてはならなかった。
先生はしばらく作品を見つめて、
微笑んだ。

「…ふむ、良い出来だ。
みな、朗読するから聴いてみなさい」

許祐は誇らしくて、
全身の血液が急に回ったみたいに熱くなるのを感じた。
どきどきと心臓の音が大きく聞こえて、
そして先生が最初の音を口に出した瞬間さらに大きく跳ねた。
それは許祐の書いたものではなくて、
その上許祐には絶対に書けないような、
忘れたくても今でもソラで言えるくらいに、
印象的なものだった。

多分、そのときから彼が嫌いなのだ。







あのときの事と比べてみれば、
その後方淵のほうが成績優秀者として卒業したときも、
許祐より早く試験に受かって登用されたときも、
それほど悔しくなかったかもしれない。
なにしろ一番初めというのは強く印象に残る。
努力すればするほど、
家柄が邪魔になる自分と違って、
同じものが助けとなる彼を妬ましく思うようになる。
そうしていつか、
どうあがいても埋まらなくなった溝を説明できるのは、
家の名前だけになってしまった。

だって、僕は相当頑張っていたんだから。

「方淵、ちょっといいかい」

同じ臨時補佐官という肩書きをもらったとき、
肩を並べられたとは思わなかった。
同じような実力があるとも、
同じ評価をされたとも思えない。
いろいろな方向に努力をして、
許祐には何が自分の力なのかよく分からなくなっていた。
妃の失脚を企てている、
と誰からか覚えていないのはそんなときだった。
最初はただ吐き気がした。
あの陛下がただ1人選んだ妃だというから、
どんな人物かと思いきや、
女性としての魅力は感じられず、
美人でもなければ教養も気品もなさそうな女人ではあったが、
なかなか善良そうだった。

あのいたって善良で、無害そうな人を陥れてのし上がるなんて、
そんな卑怯な…

そんな卑怯な手段くらいでしか、
これ以上上にいけないもの確かな事実だ。
承諾して頷くと同時に、
許祐は彼のことも思い浮かべていた。
「1人、声をかけたい人物がいます」










なんでいまさらあのときのことを。

許祐は腕を縛られ、
両隣を警備の兵に囲まれながら、
覚束ない足取りで前に進んだ。

届かない。
届かない。
ならせめてお前がここまで落ちてくればいいのに。

声はかけたけれど、
結局落ちるのは自分だけだった。
今となっては、
落ちてこないことが分かっているからこそ、
話ができたのだと思う。
止めてほしかったわけではない。
ただ、まっすぐ曲がらない姿を見て、
それに安心したかったから。
とても憧れていた。

ずっと下を向いて歩いていたが、
だれかの影が目に入って顔を上げた。
驚いたような、
もともと分かっていたような、
内心の動揺のわりには、許祐は落ち着いた声で尋ねた。

「…柳方淵。仕事はどうしたの」
「今日の分は片付いている」
「早いね」
「許祐、」


「―――――――」


信じられなくて許祐は方淵を見ているだけだったが、
兵に背中を押されてやっと現実に戻ってきた。
「よく覚えているね」
背中を向けつつ、許祐は笑った。
「いい文は忘れない」

それが皮肉であったら、
ずっと救われただろう。
彼のことだからそれは正直な気持ちなのだと、
それが分かってしまうのが、
嫌で、
悔しく、

許祐の頬を涙がつたる。
「遅いんだよ」
それをあのとき言ってくれていたら、
正々堂々と勝負してきたかもしれない。
そんなことはないのか。
結局彼ほど才能もなく、
家の力もなく、志も小さな自分では、
行き着く先は同じであったか。


いや、でも、



ーーーーーーーーーーーーーー

許祐みたいな人はたくさんいるんじゃないか、と思いながら。
多分家の中ではすごく優秀で、
期待もされている子だったと思います。
それで、自分でも期待にこたえなくてはと気を張っている。
外に出てみると井の中の蛙で、
かなわない人がたくさんいる。
その中で勝負をしていこうとするとやっぱり手段は選んでいられないんだけど、
ふとうらやましくなる。
実力だけで勝負している、と思っている人が。
きっとその人はより恵まれた環境にいて、
本人も努力しているのだろうけれど、
許祐は自分にもその環境があったのなら彼のところまでいけたのではないかと思ってしまう。
環境というのはお金もそうだけれど、社会的信用や、つかえる時間や、
自分に付きまとうレーベルの全てが、
彼ほど恵まれていたら、
自分はここまでの手段に出る必要はあっただろうかと考えてしまう。
それはもしかしたら少し当たっているかもしれなくて、
完全に間違いだとは言い切れなくて、
許祐の行動の中には自己擁護と自己嫌悪の両方が渦巻いていて、
あとで引き返せないところまできて、
気付くんだけど、
彼には自分の理想のままでいてほしかったなあ、
憧れていたなあ、とか思って
最後の最後でちょっと認めてくれていたのかも、
もっと真正面から歩み寄っておけばよかったのかも、
結局彼をうらやんだりねたんだりして、最初に一歩遠ざかってしまったのは僕だったなあ…
いや、でもこれが僕だし、
意外と後悔はしてないんだよ…

みたいな話です。
めっちゃ分かりづらい。
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おりざさんへ
私は方淵とか夕鈴よりも、
許祐のほうに近くて、代弁してもらったところもあり、
反応もらえなさそうだけど少し思いいれのあるものに書きあがったので、
なにか届くものがあったのなら嬉しいです。
コメントありがとうございます!
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たるさんへ
たるさんこんばんは!
こちらこそありがとうございます。
2巻読みたくなってくれたらいいなと思っていたので嬉しいですw

許祐は最終的にはああいう手段に出てしまったけれど、
年も若いし家も大きくないのに臨時補佐官で、
そうとう優秀だったと思います。それですごく努力家。
だんだん自分がまともに努力するだけじゃ進めない道が見えてきて、
いろんな手段に出るようになってしまったのでしょうが、
もともとは青慎みたいに、家族のために一生懸命だったんじゃないかといろいろ妄想楽しいです。

ほんとに偶然が重なって今に至るのでしょうが、
他にもいろいろ可能性があったかと思うと切ないですよね。
水月さんは学問所にはいないと思いますww家庭教師の話も聞いてなさそうw
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secret


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