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雪のような口付けを
登場人物 方淵、紅珠
カップリング 方淵x紅珠

・2人はまだ思いを伝え合ってないけど一応お互い分かってるような、分かってないような
・甘い話を目指したつもりです!

さくらぱんさん(花の四阿)の企画、【日記の祭典】クリスマス特別企画 「メルティkiss大作戦 」に
参加させていただきましたー!

メルティKissの世界観、
・冬の話
・雪
・とろけるくちどけ
・kiss
・甘いお話
などをテーマに自由でした。
そんな甘くてとろけちゃうお話書いたことないけど、
やってみたーいと参加してみますが、
やっぱり甘さが足りない気がします!でもがんばったほう。

つづきからどうぞ。

ーーーーー
ふわりと消える。




お忍びで、というわけでもないが。
家の関係のことはもちろんある。
どちらから言い出したわけでもないが、
方淵と紅珠が合うのは決まってどこか人気のない静かな、
それでいて薄暗くはない庭の見える場所になるのだった。
人に見られて噂話を立てられるのは好ましくない。
しかし犯罪を犯しているわけではないし、
全くの密室に2人というのはかえってやましい。
そうしていつも、どこか開放感のある東屋や料亭になる。
しかし、今日は野外は寒すぎただろう。
まだお互いの顔を見たばかりだが紅珠の鼻の頭は赤くなっているし、
手が少し震えている。
「大丈夫か」
「はい」
今の質問では肯定以外に返事をしにくいだろう、
と尋ねた後で方淵は後悔した。
うまく誘導できない。
そのかわり黙って外套を脱いで肩にかけてやった。
紅珠が日頃から薄着でいるのは知っていたから、
わざと中を温かくしてきていた。
きっと室内や車の中にいることが多くて、
外の冷たい空気を見越した格好はしないのだろう。
「方淵様は?」
「そう言われるだろうと思って、
温かくしてきた」
それ以上なにか言われる前に、
方淵は説明してしまうことにした。
人になにかをしてもらうことに、
紅珠は慣れているだろうけれど、
おとなしく上着を借りてもらうには、
無言では心もとなかった。
「ありがとうございます」
紅珠が素直に外套を引き寄せるのを見て、
方淵は微笑んだ。
別に何か話があるわけでもないのだが、
こうしてたまに顔を合わせるとそれで満足してしまう。
満足とは言っても、
心の満たされる感じがするだけで、
本当はもっと頻繁に会えたらとは思うし、
近づけたらと願うこともあるが…
あまり無計画に前へ進んでいい立場でもない。
自分もだが、彼女も。

目の前の手すりに雪が積もっている。
温度の低い中で降る雪は、
綿のように柔らかだ。
指で救ってみるとすぐとけてしまった。
「方淵様?指が冷えますわ」
いつの間にか隣にきていた紅珠が、
何か雪に特別なものがあるのかと見つめてくる。
「昔こうして雪を食べたことがある」
「どんな味なのですか」
「味なんてなかった。
兄に騙されただけだ」
「まあ」
紅珠が指で雪をすくってそれを口に含む。
「冷たいですわ」
「おいしくないだろう」
「おいしくないです」
ふふ、と笑う。
唇の端に雪が少しだけ残っていた。
方淵と紅珠の身長差はそこまで大きいものでもない。
少しかがむと、
方淵は紅珠の頬に手をそえた。
「……」

珍しいくらいに顔が近い、と思ったが紅珠は身構えなかった。
その後何が起きるか考えてもいなかったし、
もし何かされたとしても思い人にだから構わない。
初めての口付けは夢見たように甘くはなく、
紅珠は目も開けたままだった。
「貴女が好きだ」
その開いたままの目と、
目の前の方淵と視線が重なる。
言うのが遅いし、
言われなくても分かっていたし、
順番が間違っているし、
自分も同じ気持ちだと伝えなくてはいけなかったのだが、
それよりただ嬉しくて、
思わず腕を伸ばして飛びついてしまって、
一緒に倒れそうになった。
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